オランダの新国王即位式参列のため皇太子ご夫妻、オランダへ
雅子さまに直接電話…皇太子ご夫妻、オランダへ 2013/04/27
皇太子ご夫妻が28日、オランダの新国王即位式参列のため、同国に出発される。
雅子さま(49)にとっては10年4か月ぶりの外国公式訪問で決断はぎりぎりになったが、背景には、天皇、皇后両陛下の同国訪問の成功や、今回、同国の皇太子妃から雅子さまに直接電話があるなど、皇室とオランダ王室が築いてきた信頼関係がある。
第2次世界大戦中、オランダ領だったインドネシアで、日本軍は十数万人のオランダ人を抑留した。一部のオランダ人には強い反日感情が残り、1971年に昭和天皇と香淳皇后が訪問した際は、各地で抑留者らの抗議デモに遭遇。車に瓶が投げつけられ、フロントガラスにひびが入る事件も起きた。
今の天皇陛下(79)は、今回退位する同国のベアトリックス女王(75)と20歳代の頃から友情を育まれてきた。両国間の関係改善の大きな転機は、2000年5月。同国を訪問した両陛下は、戦没者慰霊碑に供花し、抑留者の代表から苦難の経験をじっくり聞かれた。「両陛下の誠実な人柄が伝わり、わだかまりを解かしていった」と、当時随従した渡辺允・元侍従長(76)は振り返る。
06年8月には、女王が、雅子さまの療養のためご一家を静養に招待。ご一家は王室の別荘に2週間滞在し、手厚い接待を受けられた。
宮内庁関係者によると、皇太子さま(53)とオランダの新国王になるウィレム・アレクサンダー皇太子(46)は国連「水と衛生に関する諮問委員会」の名誉総裁と議長の間柄で、先月米国で開かれた水関連会合の際に直接訪問の招待があった。雅子さまには、マキシマ皇太子妃(41)から電話があり、訪問を後押ししたという。
=========
関連記事
<雅子さまオランダ訪問>決定の舞台裏は
◇宮内庁幹部「ご回復のきっかけに」
皇太子ご夫妻がオランダのウィレム・アレクサンダー皇太子の新国王即位式に出席するため、28日に政府専用機で羽田空港を出発する。適応障害を患い、長期療養中の雅子さまにとっては実に11年ぶりの外国公式訪問だ。その「決断」までの舞台裏とは。
雅子さまは皇太子さまに同行するのか--。宮内庁関係者によると、今回の訪問を天皇、皇后両陛下は気にかけていたといい、オランダ側に早く回答をするようにとの意向があったという。
在日オランダ大使館から外務省に「ご夫妻での出席」の打診があったのは3月初め。皇太子さまは同月5日、水と災害に関する国際会議のために米国を訪問。アレクサンダー皇太子と会い、直接、出席を要請された。ほどなく皇太子さまの出席は決まったが、雅子さまの同行決定は持ち越された。
皇室とオランダ王室とは親交が深い。天皇陛下が初めて同国を訪問したのは1953年の英国エリザベス女王戴冠式の際。71年には昭和天皇が訪問したが、戦時中の捕虜の対応を巡って対日感情があり、沿道から物が投げつけられた。2000年の両陛下のオランダ訪問で国民感情は和らいだという。
06年にはベアトリックス女王の招きで皇太子ご一家がオランダで2週間静養。ご一家は王室の別荘に滞在した。雅子さまは同年12月の誕生日に際して文書で示した感想で「ゆっくりと貴重な時間を過ごすことができました」と感謝の気持ちを示した。
それから7年。医師団が昨年12月に公表した「見解」によれば、雅子さまは一昨年秋から昨年夏にかけて心身の疲れが見えたが、9月以降は少しずつ回復している。
だが、同行の決定は長引いた。宮内庁東宮職は即位式に出席する女性の服装を3月中旬にはオランダ側に問い合わせるなど準備を進めていたが、4月に入ると幹部らが「今日も決まらなかった」と肩を落とすようになった。
この事態に、11年4月29日にあった英国のウィリアム王子夫妻の結婚式を思い出す宮内庁幹部もいた。この時も3月5日に英国王室から皇太子ご夫妻出席の招待状が届き、ご夫妻の動向が注目されたのだ。だが直後に東日本大震災が起き、出席取りやめが決まった。
「オランダ側の準備や閣議の手続きがあり、一刻も早く決めていただく必要がある」。風岡典之・同庁長官がそう苦言を呈したのは11日。「体調に自信が持てない」(関係者)という雅子さまは、長く主治医を務めてきた大野裕医師に電話で何度も相談している。
大野医師のゴーサインを受け、ご夫妻が相談して最終的に同行を決めたのは17日午前。連絡は皇太子さまから小町恭士・東宮大夫に電話で告げられた。その日の夕方に両陛下やオランダ王室に伝えられ、19日の閣議で了解された。通常、皇族の外国訪問は1カ月前に閣議に諮られるが、今回はわずか9日前だった。
ただ、雅子さまは体調に波があるという。皇太子さまと愛子さまが出演した4月14日の「オール学習院大合同演奏会」を鑑賞したが、18日の園遊会は欠席した。
ご夫妻は30日にアムステルダムで行われる即位式や王室主催のレセプションに出席し、5月3日に帰国する。宮内庁幹部が言う。「ご回復のきっかけになれば……」




