奈良県橿原市の公務員が生活保護費を不正受給 ネコババだ

相談者になりすまし生活保護ネコババ…不良職員の悪辣すぎる「犯罪」2013/03/26
【衝撃事件の核心】
 生活保護受給の相談に訪れた女性を追い返しながら、担当職員がその女性になりすまして約330万円の保護費を不正受給するという前代未聞の事件が奈良県橿原市で起きた。
生活保護をめぐるさまざまな問題が明るみに出る中、不正を水際で見破って食い止めるのも職員に課せられた責務だが、懲戒免職となり、奈良県警に逮捕された橿原市の職員は逆に、知り尽くした制度の「盲点」をつき、担当者にしかできない手口で犯行に及んでいた

■切実相談を「金」に

 平成22年8月、橿原市役所に60代の女性が生活保護の相談に訪れた。この女性は当時、市内の墓地近くに止めたマイカーの車内で連日寝泊まりしていた。

 対応したのは、当時橿原市生活福祉課課長補佐だった高岡一彦容疑者(53)だった。

 高岡容疑者は女性の相談につれなかった。「マイカーの所有は資産にあたる。早急に売らなければ、生活保護費は支給されない」などと指摘した。自宅代わりの車が、当時の女性にとって“命綱”と知りながら事実上、受給は困難と説明して追い返したのだ。

 ところが、高岡容疑者はこの後、信じられない行動に出た。

 女性の名前や詳しい経歴などを聞き出していた高岡容疑者は、この女性になりすまし、女性の本籍がある奈良市内に住むための生活保護申請書をはじめ、自立するための目標を設定する自立更生計画書など必要な書類6点全部を虚偽記載で作成した。

■異例の「引き継ぎ」

 高岡容疑者の不正受給が発覚したきっかけは、昨年4月の健康増進課への人事異動だった。

 不正受給で高岡容疑者がなりすましていた女性について、高岡容疑者は後任の職員に対し「もうすぐ仕事が決まりそうだ。責任を持って自立させる」などと説明し、女性の担当は異動後も特別に自分が継続することを認めさせていた。

 これ自体が異例な対応だったが、後任の職員も、かつて仕事を教わったことがある上司の意向とあって了解したという。

 しかし、本来は受給者の生活実態記録を月1回提出する義務があるが、職員の度重なる要請にもかかわらず、高岡容疑者は提出しなかった。

 不信感を募らせた職員は今年2月、高岡容疑者が担当継続を無理強いした問題の女性の奈良市内の住所地を訪問した。すると、別人が住んでおり、女性は奈良市内の別の場所で暮らしていることが発覚した。

 加えて女性が22年12月以降、奈良市で生活保護を受けていたことも判明した。
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